医師

精神科で治療ができる強迫性障害|早めに治して生活を快適に

若い人に多い症状です

カウンセリング

強迫性障害は、戸締りや手洗いなど日常生活の延長にある病気のため、自覚しづらく治療も長期にわたることがあります。しかし治らない病気ではありません。病院での薬物療法と共に、強迫行為の元であるものを我慢するなどの行動療法により、次第に回復していきます。

読んでみよう

日常生活に支障が出る

頭を押さえる女性

恐怖観念が強くなり日常の生活が制限されてくる障害を、強迫性障害と呼んでいます。精神科や心療内科がある病院で治療を行うことになります。うつ病の延長線上の病気ではないかとも考えられていて、診断には慎重を要します。カウンセリングを行うことも有効な治療の一つになります。

読んでみよう

強迫症状からの解放

医者

推定患者数は100万人

手の汚れや細菌付着を気にするあまり、何度も何度も手を洗ってしまうという人がよくいます。戸締まりを忘れたのではないかと不安になり、外出する際に繰り返し確認に戻らないと気が済まない人も珍しくありません。自分でもそうした行為が過剰だと気がついていながら、どうしてもやめられないのです。こうした行為も度を過ぎると、自分自身が大きな苦痛を味わうことになります。異常な行為や考えを恥に感じて、これを周囲に隠そうとする人も少なくありません。その一方では家族など周囲の人を巻き込み、他人にも同様の過剰な行為を強制する人もいます。日常生活や社会生活に支障がないのであれば、それほど深刻になることもありません。単なる性格の問題で済まされます。それも周囲の人に負担をかけているとしたら対策を考える必要があります。何より本人がこうした精神的症状を苦痛に感じているものです。この状態が何らかの精神疾患の前兆ということも、考えられないことではないのです。精神科の病院ではこうした症例を強迫性障害と呼んで不安障害の1つに数え、治療を行っています。以前は強迫神経症と呼ばれていたのですが、この病気は単なる心因性の神経症とは異なることがわかってきました。全国に推定100万人の患者数がいるという事実を知っておくといいでしょう。真面目で責任感が強く、几帳面・頑固といった強迫性格を持つ人が発症しやすい病気とも考えられます。強迫性障害のはっきりとした原因は不明ですが、遺伝的要素もまったく無関係ではありません。ストレスは発症原因と言うよりも、症状を悪化させる一因と見られます。強迫行為と強迫観念のいずれか一方または両方の影響で生活に支障が出るようになった時点が、病院での治療開始の目安です。前述の手洗いのケースでは、汚れや細菌に対する過剰な恐怖心が強迫観念に当たります。この強迫観念に基いて執拗な手洗いを繰り返すことが強迫行為です。

曝露反応妨害法の効果

精神科の病院では強迫性障害の治療として、主に薬物療法と認知行動療法を実施しています。これに加えて家族も含めた心理教育も欠かせません。現在の精神医学では、さまざまな精神症状も薬によってある程度コントロールできると考えられています。強迫性障害は大脳基底核の障害が生物学的要因と見なされており、脳神経学的な治療も有効なのです。脳内神経伝達物質のセロトニンやドーパミンの異常が見られることから、SSRIや三環系抗うつ薬が薬物療法に使われます。こうした薬はうつ病にも効果を発揮しており、脳内の神経伝達を正常化させて症状を改善に導くと期待されます。後述の認知行動療法はさらに有効ですが、薬物療法で症状を落ち着かせてから精神療法を実施することでその効果が高められるのです。認知行動療法はうつ病その他の精神疾患でも大きな治療効果を出しています。特に強迫性障害では、曝露反応妨害法と呼ばれる独自の方法が実施されます。これは強迫観念を伴う状況に敢えて患者さんを直面させ、強迫行為を我慢してもらうという治療法です。その際には患者さん自身も治療に対する強い意識を持つことで、治療効果がよりいっそう高まります。病院での治療には長い期間を要することも珍しくありません。長年の習慣や性格から発展した強迫症状を変えていくのは、それだけ時間がかかる作業なのです。それでも粘り強く治療を続けていけば、自身も周囲の人も苦痛から解放されて生活も正常化していきます。以前であれば偏見の目にさらされる例も少なくなかった強迫症状も、こうした治療を通じて克服は可能です。長期間にわたると予想される治療では、精神科が総力を挙げて患者さんをサポートしていきます。全国で推定100万人の人が悩まされているこの病気も、そのようにして多くの人が克服してきました。強迫性障害に伴うさまざまな恐怖の対象も、精神医療の力を借りれば恐れるに足りないものなのです。

強迫観念と強迫行為

パソコンを触る看護師

特定の無意味な物事に強くこだわってしまう強迫性障害は、強迫観念と強迫行為という2つの症状から成ります。観念だけで行為を欠く例も少なくありませんが、強迫行為の背後には強迫観念があるものです。精神科の病院で受けられる曝露反応妨害法に高い治療効果がある他、セロトニンの働きを正常化させる薬物療法も有効です。

読んでみよう